虫歯や歯周病予防することだけが歯の健康維持ではありません。 噛む機能が十分に発達し、何でも好き嫌いなく食べる子、味覚も含めて感受性の豊かな子に育てることが大切です。 子育てのうち、食事に関係した分野の中心はやはり家庭。保護者のがんばりが強い丈夫な歯を育てます。
歯によい食事の基本は栄養のバランスがとれていること。「1日30品目」を目標に、骨や体を育てるのに欠かせない栄養素を含む食品をまんべんなく食べさせます。調理法を工夫して、子どもが歯によい食品を好きになるように習慣づけて下さい。
おから・かきあげ・サンマの塩焼き・大豆の五目煮・イモの煮っころがし・酢の物・キンピラゴボウ・・・・俗に言う「おふくろの味」です。これらは日本の伝統的な家庭料理で、繊維を含む野菜や良質のタンパク質が豊富です。おふくろの味には、丈夫な歯を育て、歯と口の健康を維持するために必要な要素がみんな揃っています。
大阪の岡崎卓司博士は開業医としての経験から、「歯を丈夫に保つには野菜を多く食べることが必要だ」と提唱しています。
食の教育がすすんでいるアメリカでも、コールドウェル博士が「セロリやにんじんがむし歯予防に効果的」と報告しています。
これは、水に溶けない食物繊維であるセルロースが、噛むときに歯を清掃し、
しかもよく噛むことで弱アルカリの性質をもつ唾液がよく出て、むし歯菌がつくる酸を弱める働きをするからです。
この不思議な野菜の効用をいかして、積極的に歯育てを進めましょう。