3DSとは、Dental Drug Delivery System(薬剤による歯面直接除菌)の略で、歯の列をかたどったカバー(リテーナー)を使って、抗菌剤やフッ化物を一定時間歯の表面に塗布することにより、むし歯を予防する方法です。
食べ物がお口の中に入ってくると、お口の中にすんでいる細菌が砂糖や炭水化物を分解して作り出す酸によってお口の中は酸性に傾きます。酸性の状態が長く続くと、歯の表面からはカルシウムやリンが溶け出し(脱灰)むし歯が始まります。
ところがだ液にはお口の中の酸を中和し正常に戻す作用(だ液の緩衝能)があります。だ液がどんどん分泌されることによって、酸性に傾いたお口の中のpHは中和され、元の正常な状態に戻ります
だ液は、お口の中を絶えず流れて食べ物の残りカスを洗い流し、お口の中をいつも清潔に保つはたらきをしています。また、お口の中にはつねに細菌がすんでいますが、だ液はこれらの細菌を除去し、だ液中に含まれている免疫物質によって粘膜などの細菌感染を防いでいます。
だ液の中には、歯の成分であるカルシウムやリンが含まれています。
食後しばらくするとだ液のもつはたらきによってお口の中のpHが高まり(中和されます)、だ液中のカルシウムやリンが歯の表面に付着して、エナメル質の溶け出した部分が補われます。これが『再石灰化』作用です。
だ液には歯を元の状態に修復する力が備わっています。