学校の校庭がアスファルトで舗装されたり、鉄とコンクリートの街が広がるなかで、走ってころんで前歯が欠けた‥‥。そう言って歯科医院に駆け込んでくる子どもが増えています。小学生のうちに永久歯を失ってしまうのはとても不幸なことです。
子どもの歯も骨も確実にもろくなっていて、なかには、物を食べている最中に突然折れてしまったという例もあります。
歯に亀裂が入ったり、縦に割れた場合、破折直後なら、0.25ミリという細いワイヤーでガッチリ縛って固定する方法があります。また、近年大きく性能が進歩している接着剤(接着性レジン)で張りあわせる「接着法」や、一度抜いた歯を再び植え込む「再植」など、自然の歯を守るための技術が日々考案されています。
欠けたから、抜けたからと諦めず、すぐに歯科医院に駆けつけてください。損傷の程度にもよりますが、できるだけ歯髄も残し、元にもどるよう最善を尽くします。
抜け落ちてしまった歯の緊急処置は、水道の水でけっこうですから、泥や汚れを落とし、できれば元の歯の穴に戻してください。それがムリな時は、歯を口の中に入れるか、牛乳の中に入れてできるだけ早く歯科医院においでください。