根管治療
大切な歯を残す根管治療 その1
むし歯が進行して歯の神経(歯髄)にまで炎症が進むと、急にひどく痛んだり、熱いものや冷たいものがしみる症状がでてきます(歯髄炎)。これは歯髄に細菌が入り込んで炎症がおきているためです。
これ以上感染が広がるのを防いで歯を守るために、歯髄は生きていますが炎症を起こしている部分を取り除く処置(抜髄)を行います。この神経を取り除く治療が「根管治療」です。
歯の根は奥歯では複数本あり、歯髄の入っている空間は根の先の方では極めて細く、しかも曲がっていたりします。そのため炎症を起こしている部分を完全に取り除くことが難しいのはもちろんのこと、先の方まで消毒してきちんと詰める処置がまた難しい治療です。痛みがでている間は処置を繰りかえさなければなりませんから、通常で5~6回の通院が必要です。しかし神経の処置をきちんと行えば、歯を抜かずにすみます。根気よく最後まで処置を受けましょう。
大切な歯を残す根管治療 その2
歯が痛むとき、よく見ると歯ぐきが腫れたり膿で表面がプクンと膨れていることがあります。また歯と歯をかみ合わせたり、熱いものを口に入れたり体が温まったときなど、特に強く痛むことがあります。
これは歯髄が細菌に感染して死滅し、さらに感染が根の先から周囲の組織へと広がっているときにおこります(歯根膜炎)。また一度治療したはずの根の先に病巣があるときも、同じように症状がおきますし、症状がなくとも病巣からの感染はおきています。
このようなとき歯を残し根の先の病巣を治療するために、死んだ歯髄を歯根内から取り除き、内部の感染した部分を清掃除去して消毒し、菌が再び侵入しないよう完全に密封する「感染根管治療」を行います。
歯髄の入っていた空間は、非常に細く形も複雑です。そのため治療には、細心の注意と労力、時間が必要です。感染の広がりが大きい分だけ、通院の回数が多くなります。しかし自分の歯を残すには欠かせない治療です。最後まで根気よく治療を受けてください。