だ液は縁の下の力持ち
消化を助けるだけでなく、若さも保ちます
私たちが生きていくために必要な栄養素は、食べ物から摂取しています。食べ物は、ただ口からとればいいのではなく、細かく噛み砕かれ、消化酵素と混ぜ合わさって、栄養素が消化吸収されるようにしなければいけません。そのために必要なのが「だ液」です。
食べ物を消化する消化酵素
だ液に含まれる消化酵素には、食べ物を消化する働きがあります。たとえば、アミラーゼは、でんぷんを消化し、麦芽糖に変え、血液中の血糖値を速く高めるので、食べ過ぎの防止に役立っています。
口の粘膜を守るムチン
ムチンは食べ物を滑らかにしたり、ねばり気を出して口の中の粘膜や舌が傷つかないようにしています。
老化を防ぐパロチン
だ液腺ホルモンであるパロチンは、骨や筋肉などを丈夫にして老化を防ぎます。このホルモンは耳下腺から分泌され、血色のいい顔、肌の張りをもたらし、若さを保つのに大切な働きをしています。
がんも防ぐだ液
さらに、リゾチーム、ラクトフェリンなどは、口の中で細菌が繁殖するのを防ぎ、ペルオキシターゼは発がん性が指摘される活性酸素を分解する働きがあるといわれています。 だ液は口の中の乾燥を防ぎ、口の中を清潔にする働きをもっているので、だ液の分泌が少なくなると、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。
よく噛むことは、だ液の分泌を促します。さらにだ液がさまざまな効果をうみだしているのです。ストレスが原因でだ液の分泌が減ることもあります。食事のときはよく噛んで、ゆったりと時間をかけて楽しみたいですね。