歯ならびやかみ合わせに影響します

指をくわえたお子さんをときどき見かけます。神奈川歯科大学で行った3歳児健診の調査では、15%前後の子どもにこの癖が見られました。それは、歯の健全な発育という点ではとても大きな問題です。
 吸うのは親指のことが多く、乳幼児の柔らかくて弱い歯や歯ぐきはすぐに変形してしまいます。また、この癖が幼児期まで続くと、前歯がかみ合わず開いたままの状態や出っ歯など、歯ならびやかみ合わせに異常がおきます。特に、生え替わりの時期まで指しゃぶりを続けていると、骨にまで変形が及んでしまいます。もちろん吸い続けた親指も変形します。
 指しゃぶりを止めることができれば、軽い程度の異常は自然に治るといわれています。歯と口の健全な発育は、その後の子どもの身体や心の発達、そして知能の発育にも深く関わります。当院では、正常な歯列とかみ合わせを育てるために、指しゃぶり抑制法を指導しています。

コットンの靴下は、おいしくないから「もう止めた!」

指しゃぶりの影響

方法は簡単です。成人用のコットンの靴下を両腕にはめ、背中越しに両方の靴下を、遊びを残してひもで結びます。こうするとカカトの部分が子どもの肘にあたり、子どもの自由な腕の働きを妨げません。寝るときも、この上に大きめのパジャマを着せます。  指を口に入れてもコットンの感触がよくないので、1か月もすると指しゃぶりをしなくなります。
 母親としてはお子さんが可哀相と思われるかもしれませんが、お子さんの健やかな成長のためにちょっと頑張ってみましょう。そうすることが、お子さんの歯の健全な発育をお約束します。